ディテールに細かな工夫がみられるマンションリノベーションの傑作です。
参考になるポイントがたくさんあり、実物を見に行ってみたいと思うような物件です。
まず、玄関ドアに設置された木製のルーバー網戸がいいですね。マンション特有の閉塞感がこの一枚の建具でまったく無くなってしまいます。
玄関を入ってすぐキッチンという意外な間取りも違和感がありません。
52㎡という床面積の割には収納スペースが豊富なことや、トイレと玄関の境の壁に明けられた上下のガラス開口部、そして壁に埋め込まれた神棚と、設計者の細やかなセンスが光っています。
『住み手のことをどこまで考えたんだろう?』と疑いたくなるような「なんちゃってデザイナーハウス」をよく見かけますが、この作品はとことん住み手のことを考えたデザインです。「住み手ファースト」というのでしょうか、設計に携わる人には是非大事にしてほしい視点です。
デザイン重視と言われる作品に共通しているのは、デザインアイテムそのものの主張が強く、そのデザインから住み手の使い方がイメージできないというのがあります。
『どうやって使えばいいの?』と頭を傾げたくなるような奇抜なデザイン。
数年後にはリフォームをせざるを得ないという事例はたくさんあります。
この作品の設計者は、自らのリフォーム体験からデザインアイテムを完成させて、依頼者へ提案しています。
設計者の「私たちの家」からその辺りが伝わってきます。
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