平成12年に強化された耐震基準の中には、柱を土台を通して基礎と緊結するホールダウン金物の使用が義務付けされました。
*画像は株式会社タナカより引用
これは、強い地震時には柱に対したいへん強い引き抜き力がかかり、建物が転倒する被害が阪神淡路大震災で見られたからです。
ホールダウン金物の設置によりこの大きな引き抜き力に抵抗しようという考え方です。
ところが、今回の熊本地震では、ホールダウン金物が切断して倒壊した住宅があったということです。
平成12年の建築基準法改正では次のようなことが強化されました。
- 耐力壁の配置バランスを計算する
- 筋交いや耐力壁の接合方法が明確になった
- 出隅などの柱脚にホールダウン金物の使用が必須になった
これらの措置により強化されたはずの建物が、震度7の地震に2度襲われると倒壊してしまうという現実は大変深刻なことです。
しかも、ホールダウン金物が切断したということは何を物語っているのでしょう。
この情報は日経アーキテクチャの日経ホームビルダーに掲載された記事ですが、専門家の調査に基づいたものでは無く、同誌の取材記者の調査なので、力学的な裏付けがあるものでは無いようです。しかし、もしも大きな力がホールダウン金物のボルトにかかり、破断したとなるとホールダウン金物の強度基準の検討が必要になるような一大事です。
*ただし、記事の写真を見るとホールダウン金物にしては取付位置が疑問にも思うのですが、今後の専門家の調査結果に注目したいところです。
関連する記事
》》 信頼できるリフォーム業者を探せるリフォーム業者の選び方公式サイト