リフォームの際に一部でも耐力壁の解体がある計画の場合には、復旧工事で制振ダンパーを設置することを勧めます。

理由は簡単で「大きな地震によるダメージを少しでも少なくすること」です。

耐震診断の結果、耐震補強の必要が無いと診断された場合でも、やはり制振ダンパーは設置した方が望ましいです。
工事費は1ヶ所当たり10万円程度ですので、XY方向1ヶ所ずつ計2ヶ所は設置したいところです。

gva
*画像と詳細情報は制震ダンパー・制震装置・制震構造のGVAから

制振ダンパーを付けることによって耐震力が増すということではありませんが、地震による揺れを小さくすることによって、骨組み、特に接合部への力のかかり方を減らすことができます。

大きな地震では

  • 筋交いを押えこんでいる面材が浮き上がる
  • 筋交いの接合部がゆるむ
  • 耐力壁面材が浮く

このような現象が耐力壁内ではおきています。
これらの現象が耐力壁としての性能を低下させ、建物全体の耐震性能を失うので、震度7クラスが連続しすると、耐震性能上は問題ないはずの建物が倒壊してしまうのです。

制振ダンパーは地震による横揺れの量を少なくするものです。
したがって、1階に設置したダンパーは2階の床の揺れを少なくしてくれます。
その為、1階にある耐力壁の上部にかかる水平力を緩和し、耐力壁の変形を抑えてくれます。

制振ダンパーの効果を実体験するには、地震の時に2階にいると分かると思いますが、1階にいては地震の横揺れはダンパーが無い状態と変わりません。ただし、壁の変位が少ないので背の高い家具などの揺れは少なくなります。

理想的には制振ダンパーの設置個所はXY方向それぞれ2ヶ所ずつ、計4ヵ所の設置がいいのですが、そうなると、リフォーム費用が増えますので、リフォームの範囲になっている壁だけに設置しても、設置しないよりは地震での被害は小さくなります。

大きな金額がかかるものではありませんので、リフォームの際には制振ダンパーを設置しましょう。

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